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Running Conditioning
ランニングコンディショニング

ランニングは同じ動きを繰り返すスポーツのため、機能障害としては小さな問題であっても、痛みを起こしてしまいます。
そしてその痛みも、大きく負荷の強い動作ではないため、痛いその場所が問題となっていないことが多く、痛いところをマッサージしても改善が難しいのも特徴です。
どこかの関節が硬かったり、どこかの筋肉の出力が弱くなると、他の場所が補おうとする「代償動作を見抜く」ことが必要です。
それができなければ、走ればまた痛み出すという繰り返しです。
読んでいただいている中にも同じ場所を何度も痛めている方が多いのではないでしょうか?
当院では痛めている部位が持っている関節や筋肉の特徴から、関連する全身の検査を行い症状の原因把握をしていきます。
当院ではランニング障害の方では必ずトレッドミルで走っている動作を分析させていただいています。動作分析することで、普段どのような癖があるのか・それは今の症状と関係があるのかを検査します。
また、通常は痛みが出ると一旦走るのをやめるよう指導されることが多いかと思います。ですがコンディションが万全ではない状態で大会に臨んでしまう・走れずストレスがたまるなどの問題もあるかと思います。
そのため当院では痛みが強い場合でなければ安静にせず走って頂き、異常動作の修正・治療を繰り返し行うことで、早く元の状態に戻せるようにお手伝いをさせて頂きます。

「代償動作を見抜く」について少しだけ説明をします。
近年、ストレッチブームなのか、かなり大きな動作でのストレッチ方法や運動を目にします。ここでポイントになるのが、大きな動作では、複数の関節が動いてしまいます。
治療の業界では、腕が上がるほどストレッチも運動もより小さい角度で効かせていくことができてきますが、近年の風潮に違和感が感じる治療家は多いかと思います。
なぜ小さい角度が重要なのかというと、動画にあるように、
ある関節がその時に持っている機能(可動域)の最終域近くになると、隣り合う関節、もしくは同じ方向への動きを持っている関節が動き出す=代償動作を行うため、大きな動作では目的の部分に力がかからないためです。
まず、「足を上げる」、や「蹴り出す」など、ある動作を構成する関節に対して1つ1つ個別に可動域・可動性をチェックし、機能を失われている関節にだけ力がかかるように治療を行わなければなりません。
動画では、「後に足を蹴り出す」動きに対して、起こりうる仙腸関節の異常動作について説明しています。
この動画では、仙腸関節の回旋動作として表していますが、実際には、骨盤の前傾に代償したり、逆に後傾するように大臀筋の出力の影響を受けたり様々です。その人その人でおこなっている代償動作を見つけて治療計画を立てていきます。
POINT
ポイント
接地と仙腸関節の力学的変化

仙腸関節は、立位や座位で力を足へと流す方向を変えなくてはならないため、力の受け取る方向を変化させる必要があります。
ランニングにおいて、足の接地場所に対してお力のかかり方からどのような仙腸関節のポジションが望ましいかを検討する必要があります。とは言っても、背骨の下端にある仙骨と大腿骨と股関節を形成する寛骨で形成される仙腸関節の調整は、脊柱と股関節の調整と言っても過言ではないため全身を見ていきます。
仙腸関節について
前方への推進力を生み出すには
ランニングにおいて前方への推進力を作るものの1つとして、大殿筋があります。大殿筋は股関節伸展作用が有名なため、ジャンプやスクワット動作で筋力を鍛えると思いますが、もう一つ大事な作用として股関節の外旋があります。
股関節の外旋は大腿骨頭を軸に足を外に開く動きですが、ランニングのように足が地面に接している状態においては、大転子が軸として身体を前方に押し出す役割になります。
そのため、中殿筋の出力低下や足の接地に問題があり、運動軸が大転子でなくなった場合、骨盤ごと回旋させる・骨盤が残る走り方になってしまいします。
運動軸の問題や骨盤と大腿骨の関係はこちらも参考にされてください。
股関節の障害

重心移動とロッカーファンクション

ロッカーファンクションは、身体を前方へと推進させるために身体が利用する逆振り子運動です。
①ヒールロッカー
②アンクルロッカー
③フォアフットロッカー
の三つを利用して歩行しています。ランニングでは踵接地をする人は少ないのでランニングの場合は主にアンクルロッカーとフォアフットロッカーを利用している人が多いかと思います。
足をどのように接地するかが問われた場合に、大切なのがこのロッキング作用をどれくらい利用するかです。
身体よりも遠くに接地すれば使われるロッキング作用は大きいため筋疲労が強くなります。
当院では、接地の仕方と接地のタイミングを分析して障害と照らし合わせていきます。
呼吸の種類とランニング

通常呼吸は胸式呼吸と腹式呼吸の2つを組み合わせて行われています。
このどちらに制限があってもいわゆる心肺機能が落ちてしまいます。
胸式呼吸の機能低下
胸式呼吸は外肋間筋の収縮によって行われます。
外肋間筋は肋骨の外旋・上方移動をする役割がありますが、
腕の振りの左右差(胸椎の回旋)、顎が上がっている(胸椎の伸展制限)がある場合には外肋間筋の収縮力が低下し、ペースが落ちてしまう原因になります。
肋骨は胸骨・胸椎と関節を持っているため、前面(胸肋関節)が動いていないのか・後面(肋椎関節)が動かないのかによって治療する部位が変わります。
肋骨や肋間筋の治療は胸郭出口症候群の治療と似ている部分があるため、こちらも参考にされてください。
胸郭出口症候群のページはこちら

腹式呼吸の機能低下(横隔膜の機能障害)
腹式呼吸とは吸気時に横隔膜が収縮し下方に移動することによって、肺に空気を入れる呼吸のことです。
しかし、体幹の回旋制限や側屈制限によって脊柱の弯曲が強くなると、凸側の横隔膜は伸張され収縮しづらい状態になってしまいます。
その結果横隔膜の下降が制限され、終盤のペースが落ちる・ペースが乱れるなどの障害が起こります。
横隔膜についてはブログでも紹介していますので、こちらも参考にされてください。
横隔膜についてのブログはこちら
また、普段から腰痛を持っている方でも同じように横隔膜の下降が制限されるため、楽に速く走るためには腰痛の治療も並行して行うことが必要です。
腰痛のページはこちら
下肢の連動性とランニング
ストライドを広く取り跳ねるような走り方の人・ストライドを狭くし上下動を少なくする走り方など足の長さや身長・筋肉のつき方によって走り方は人それぞれです。
図のように足関節の底屈・膝関節の伸展・股関節の伸展の強さを調節することによって前への力を強くするのか・上への力を強くするのかを決定しています。
最近聞くようになったぬけぬけ病(テンポが崩れてうまく足が出なくなる)やスポーツ全般で聞くイップスなどの症状は筋肉の出力低下・関節の拘縮などによってこれらの連動が崩れてることも原因の一つになります。
その場合は治療だけでなく連動がうまくできるようにリハビリを行うことも必要になります。

ランニングと重心線

ランニングでは必ず片足立ちになりますが、この際重心線を一直線に保つことが非常に重要になります。
右の写真では大転子の内側に重心点をおいている為、肩から足までの重心線が一直線になりバランスを取る筋肉は最小限の筋疲労ですみます。
しかし、左の写真のように接地時に骨盤が上がってしまったりスウェーしてしまうと重心点が大転子よりも上外方に移動します。
その結果重心線が外側に移動するためバランスを取ろうと大腿筋膜張筋や外脛骨筋などが過収縮し、ランナー膝や内反膝(ニーイン)、シンスプリントなどの障害を起こしやすくなります。
扁平足とインソール
扁平足や足底筋膜炎・有痛性外脛骨など足首だけでも様々な疾患があります。
最近ではほとんどの方がインソールを入れていますが、インソールによってよくなる人もいれば悪くなる方もいらっしゃいます。
例えば生まれつき足のアーチが低い扁平足の方であればインソールで内側のアーチを高くすることによって衝撃吸収や蹴り出しがしやすくなります。
しかし、踵骨が内転偏位(写真・右)している影響で舟状骨が下がる「代償性の扁平足」の場合、踵骨はさらに傾きを強くするためアキレス腱炎や踵の痛みを起こしやすくなります。
つまり、足の症状がある場合には安易にインソールを入れて解決しようとするのではなく、治療が必要な足なのか・インソールで解決する問題なのかを見極める必要があります。

遠方から来院される方へ
ランニングコンディショニングにおいて重要な三つの要素は、
①動作分析 ②問診 ③機能検査 です。
それぞれが関係しあっていますが、動作分析についてここではご紹介しています。
当院では、【トレッドミル】を用いてランニングや歩行動作を動画撮影し、各動作のポイントから身体の中で起こっている現象を推測しています。
ここで重要なのが、『推測』です。
ほとんどの場合、フォームからすぐに問題を探りがちですが、実際には、フォームに現れている以上は、表面的なもので根本的な原因は、フォームの異常動作の一瞬前に起こっていることが多いです。
フォームで現れた異常動作の前にどんな関節機能的な運動があるかを推測し、機能検査を行って確かめ、『真の問題点』を探し出します。
また不調となるきっかけや、どういう走りを求めているのか目的に合わせていくことも重要なので問診も重要となります。
ランニング障害で特に多いのが膝の痛みです。
外側に痛みを起こす腸脛靭帯炎(ランナー膝)もありますが、膝が内側に入ってしまい(ニーイン)、膝の内側に痛みを起こす方も多いです。
ニーインする原因として多いのが股関節外旋筋である梨状筋の筋出力低下です。
動画では梨状筋の筋出力検査から治療の流れまでを説明しています。
ランニング障害の1つとして有名な種子骨障害のページを新たに作成いたしました。
ポイントは・拇趾外転筋や短拇趾屈筋・長拇趾屈筋といった筋肉の走行がとてもうまくできている反面、その走行の異常が起こることで拇趾の関節に大きな負荷が働いてしまう点です。
ランニングに対するコンディショニングでとても重要なのが「伸張反射による筋収縮」です。
伸張反射は昔学校で、膝のお皿の下にある膝蓋靭帯を叩いて膝が伸びる反射の実験を覚えている方も多いと思いますが、筋肉が伸ばされて刺激に対して収縮する反応です。
ランニングで言えば接地時に伸張反射が働き、接地時間を短くし、蹴る力を大きくする作用があり、とても大切な能力です。
今回は伸張反射を用いた筋収縮であるγ1ループを検査し治療後の変化を確認しました。
筋収縮の細かい説明は臨床コラム「筋収縮のメカニズム」で少し説明しました。
他の臨床コラムはこちらからご覧になれます。
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