Running Conditioning
ランニングコンディショニング
フォーム分析 代償動作に注意

世界陸上選手もケアしてきたプロが「走る」を磨く
当院では、機能運動学的検査を行い、ランニングの動作分析と合わせて、患者様の状態をご説明します。
実業団選手を見る中で感じてきたコーチやトレーナーと我々との視点の違いは、外見上のフォーム分析ではなく、内在している力学を読み取る機能分析ができるかどうかのようです。
(※この写真は機能検査と動作分析の一例をご紹介しました)
もし患者様にランニングコーチがついている場合は、理想のフォームに対して、どんな身体的機能異常が影響を与えているのか探っていきます。
足のアーチの異常に徒手療法

筋肉・関節・神経の三種の神器を調整
扁平足や足底筋膜炎・有痛性外脛骨など足首だけでも様々な疾患があります。
最近では、インソールを入れて経過を見ることが一般的となってきていますが、実はあまり効果がないこともわかってきています。特に日本のように靴での生活が短い国では尚更です。
また、足は体の末端にあるため、足の筋力の低下の背景に神経障害がほとんどの場合に存在します。その為、アーチを調整するには足底筋を鍛えるトレーニングの前に神経の促通が大切です
足のアーチを改善するには徒手療法がとても効果的です。
その他のPOINT
様々な競技のアスリートをケアしてきた経験を基に、身体の様々な部位から症状との関連を読み解きます。
接地と仙腸関節の力学的変化

仙腸関節は、各肢位において力を受け取るポジションを調整する必要があります。
これをする事で、受け取った力をスムーズに足部へと流し、ロスなく力を発揮できるようになります。
ランニングにおいては、足の接地位置に対する股関節への力の掛かり方から、仙腸関節のポジションは何処が望ましいかを検討する必要があります。
但し、「背骨の下端にある仙骨」と「大腿骨と股関節を形成する寛骨」で形成される仙腸関節の調整は、脊柱と股関節の調整とも言えるため、全身を調べる必要があります。
前方への推進力を生み出すには
ランニングにおいて前方への推進力を作るものの1つとして、大殿筋があります。
大殿筋は「股関節伸展作用」が有名なため、ジャンプやスクワット動作で筋力を鍛えていきますが、もう一つ大事な作用として「股関節の外旋」があります。
股関節の外旋は大腿骨頭を軸に足を外に開く動きですが、ランニングのように足が地面に接している状態では、大転子(図の赤丸)を軸として身体を前方に押し出す役割になります。
そのため、中殿筋の出力低下や足の接地に問題があり、運動軸が大転子でなくなった場合、骨盤ごと回旋させる・骨盤が残る走り方になってしまいします。

スピードと安定性

使っているシューズによっても問題が起きる部位に違いが出てきます。
例えば、「ソールの厚さの差」で診た場合、
厚底では、
〇反発率の高さ、一部動作を代替してくれることでタイムの短縮が狙えるが、足関節の不安定さ増加を股関節の代償動作で補うため、股関節障害のリスク増加
薄底では、
〇足底の感覚が掴みやすく、走行の安定(姿勢制御)がし易くなるが、クッション性が少ない分、シンスプリントや足底筋膜炎のリスク増加
などがあり、改善が必要となる部位や動作が変わります。
これを、「走り方の変更」だけで対処するのは難しいことが分かると思います。
その為、動作の中で「何が出来て、何が出来ていないのか」を各関節で検査・治療を行うことが大切となります。
参考文献:シューズの厚さの差が平坦路走行時の走法と安定性に及ぼす影響
足の接地方法

ランニングにおける接地方法として、
①前足部接地(FFS)
②中足部接地(MFS)
③後足部接地(RFS)
の3種類があります(①と②は割合が少ない為、非後足部接地 NRSF とまとめられている)。
接地割合は、レクリエーションランナーを含む対象者を調べた研究によると、③は71.1%~93.7%であると報告されています。
但し、競技差(短距離や長距離、球技など)・タイミング差(加速期や全力疾走期、切り返し時など)によっても変化する為、何で「痛めた・痛みが出る」が重要となります。
また、接地方法によって怪我のリスクが高くなる部位も変化する為、「何を目指しているのか」も必要な要素となります。
呼吸の種類とランニング

腹式呼吸の機能低下(横隔膜の機能障害)
腹式呼吸とは吸気時に横隔膜が収縮し下方に移動することによって、肺に空気を入れる呼吸のことです。
しかし、体幹の回旋制限や側屈制限によって脊柱の弯曲が強くなると、凸側の横隔膜は伸張され収縮しづらい状態になってしまいます。
その結果横隔膜の下降が制限され、終盤のペースが落ちる・ペースが乱れるなどの障害が起こります。
横隔膜についてはブログでも紹介していますので、こちらも参考にされてください。
また、普段から腰痛を持っている方でも同じように横隔膜の下降が制限されるため、楽に速く走るためには腰痛の治療も並行して行うことが必要です。
ランニングと重心線

ランニングでは必ず片足立ちになりますが、この際重心線を一直線に保つことが非常に重要になります。
右の写真では大転子の内側に重心点をおいている為、肩から足までの重心線が一直線になりバランスを取る筋肉は最小限の筋疲労で済みます。
しかし、左の写真のように接地時に骨盤が上がってしまったりスウェーしてしまうと重心点が大転子よりも上外方に移動します。
その結果、重心線が外側に移動するためバランスを取ろうと大腿筋膜張筋や外脛骨筋などが過収縮し、ランナー膝や内反膝(ニーイン)、シンスプリントなどの障害を起こしやすくなります。

重心線のズレ(骨盤の位置異常)は、ハムストリングスにも悪影響を及ぼします。
ハムストリングスは、「半腱様筋」・「半膜様筋」・「大腿二頭筋」で構成され、半腱様筋が最も後面に付着し、その奥外方に大腿二頭筋、さらに奥内方に半膜様筋が付着します。
股関節(伸展動作)と膝関節(屈曲動作)に作用する筋肉ですが、「仙腸関節」・「股関節」・「膝関節」・「脛腓関節」と複数の関節に関与します。
これが、骨盤が回旋(仙腸関節と股関節の機能)し位置異常を起こすと、起始部である坐骨の位置が変化し、ハムストリングスの関係性が崩れてしまいます。
図の様に、右の腸骨が内旋(左回旋)変位した場合、
坐骨は外方に変位し、半腱様筋は外側に、半膜様筋は内側にずれてしまいます。
これによって、膝関節内側の痛み(鵞足炎)や半腱様筋の過負荷による肉離れに繋がります。
その他にも、脛腓関節も関与している為、足関節捻挫後にハムストリングスの筋出力が減少することもり、この場合には足首の治療も必要になります。
他の臨床コラムはこちらからご覧になれます。
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当院概要
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